何故空き家のままにしているのか!?

空き家問題が深刻化

空き家問題が深刻化し、このままでは日本の建物の空き家率が40%を超える日も遠くない・・・そんな日本の現状をお伝えしました。

そもそも、なぜ空き家は空き家のままになっているのでしょうか。

近所に空き家のある地域の人からは、「草木が伸び放題で邪魔」「景観が悪化する」「手入れされていなくて衛生環境が悪い」「建物が老朽化していて危険」といった声が聞かれます。

空き家を放置しているとご近所にも迷惑がかかってしまう、その地域の生活環境にも悪影響のようです。

解体すれば、空き家はなくなるし、更地にすれば土地も売れるのでは?

といった考えも浮かびますが、実際はどうなのでしょうか。

空き家が空き家のままになってしまう理由を調査しました。

更地にすると固定資産税の減額が受けられない

まず、空き家を残した場合と、更地にした場合に、固定資産税に差がでてきます。

固定資産税は、その年の1月1日時点で土地や建物を保有している人に課せられる税金で、人が住んでいても空き家でも、支払いの義務が発生します。

さらに、その土地や建物の場所が市街化区域に指定されていると、固定資産税のほかに都市計画税の支払いも必要となります。

固定資産税と都市計画税の税率は、人が住んでいることを前提としています。

空き家の場合は、空き家を維持するために、土地や建物の持ち主に大きな負担がかかってしまいます。そこで、持ち主負担を軽減するための措置として「住宅用地の軽減措置特例」が適用され、減額できます(一部例外あり)。

現在の固定資産税の仕組みでは、土地に住宅が立っている場合に200平方メートルまでは課税評価額の6分の1、それを超えた場合でも3分の1に軽減されます。

ところが家屋を解体して、更地にした場合は、税金の減額が行われず、固定資産税が最大6倍にまで跳ね上がってしまいます。

実際に具体例を上げて見てみましょう。

課税評価額3,000万円(土地)、1,000万円(建物)で、敷地面積100㎡の空き家がある場合

・建物が残っている場合

3,000万円×1/6×1.4%=7万円

1,000万円×0.3992×1.4%=5万5,888円(築25年の経年減価補正率の場合)

固定資産税額(合計):12万5,888円

・更地にした場合

3,000万円×1.4%=42万円

約13万円と、42万円。同じ土地でも、これだけ税金の額が変わってしまいます。この差は大きいですね。

さらに、仮に空き家を解体しようとしても解体費用と整地費用がかかってしまい、さらに支出が増えることになります。

更地にする為に費用がかかってしまう上に、更地にすれば土地にかかる固定資産税が上がるとなっては、なかなかお金をかけてまで空き家を壊して整備したいと思う人は少ないのではないでしょうか。

売却条件が悪い・・・

更地にすると固定資産税が高くなってしまうなら、いっそ空き家を売ればいいのでは?という声が聞こえそうです。

実は、家屋というのは耐震基準といったさまざまな条件をクリアしなければ売りに出すことができません。例え売却したいと思っても、そうした条件をクリアするために耐震基準を見直したり、必要に応じて工事を行ったり、老朽化が進んでいればリフォームなどの手入れをする必要もでてきます。そうすると相当な金額がかかるのは想像に難くないと思います。 また、更地にしないで売却条件を提示した場合は、解体費や更地にするための整地費用を差し引かれた金額が売却値となってしまうケースもあります。こうなると、売っても利益になるのは微々たる額で、手続きの手間等を考えると、そのままにしてしまう人が少なくないようです。

相続人問題

家を相続した場合、その負担は全て相続人が負うことになります。ここで、前回の記事を思い出していただきたいのですが、空き家が増える原因として、高齢者が老人施設や子ども宅に一緒に住むようになり、住んでいた家を離れた結果、空き家になってしまうという仕組みを説明しました。

親が亡くなると、親の所有物だったものは子へと引き継がれます。

現在の空き家の多くは、高齢化社会の産物として親から子ヘと継がれるということですね。

仮に1人の相続人へ受け継がれた家屋は、その行く先が決定されやすいものです。しかし、兄弟などがいて複数の相続人がいる場合、家屋を継続して引き継ぎたい、家屋を売却したい、など意見が食い違い、結局空き家をどうするのかという決定が下せないまま放置してしまうという事態になってしまいます。

今回は空き家を空き家のままにしてしまう原因トップ3をご紹介しました。

空き家を放置する原因は複数ありますが、共通していえることは、「空き家をどうにかしようとすると、持ち主の負担になる」という事実ではないでしょうか。

現在、空き家問題を解決するために、自治体をはじめさまざまな取り組みが行われています。中にはユニークなものもあるみたいです。 次回は空き家問題を解決するための取り組みで成功した事例をご紹介します。

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